医療チームによるコロナ禍の病棟業務支援について
2021年1月15日
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、医療関係9団体から「医療緊急事態宣言」が発出されるなど、医療崩壊の危機が迫っています。我々は、移動や日常生活動作等に強い理学療法士・作業療法士が、病棟業務の体位変換や患者搬送、更衣等をサポートすることで、効果的にコロナ第3波における看護業務を支援することは可能と考えています。この医療崩壊の危機を乗り越えられるよう、全国的にこの医療チーム活動が展開されることを切に願います。
・本件にかかる日本理学療法士協会の特設ページはこちら
・この取り組みについて、厚生労働省医政局医事課・看護課より都道府県へ事務連絡が出されました こちら 2021/1/18
基本的な考え方
1)私達は、ベッド不足、医師不足、看護師不足に起因する医療崩壊の危機が迫っていることを危惧しています。
2)私達は、医療チームの一員として、看護師の絶対数不足や過重労働の現状に危機感を抱いています。
3)理学療法士・作業療法士は、看護師業務の代替はできませんが、一部を支援することは可能と考えています。
4)今回の考え方及び行動は「医療崩壊」ということが前提であり、平時における活動を強要するものではありません。
会長メッセージ
コロナ禍での作業療法士による病棟支援の実態把握調査 結果概要はこちら
日本理学療法士協会会長メッセージはこちら
留意事項
病棟業務支援に従事する際に、理学療法士・作業療法士が把握しておくべき留意事項をまとめました。支援にあたる際には必ずご一読くださいますようお願いいたします。
支援事例
理学療法士・作業療法士による病棟業務の支援が続けられています。感染者が急増し看護師が不足するなかで、医療崩壊を防止するための参考としてください。
「病棟のリハスタッフの支援により、他病棟からの看護師の人的支援が回避できた」事例
「コロナ感染専門病棟での理学療法士の夜勤業務支援により、看護助手の不足が解消された」事例
「HCU等新型コロナ感染症患者専用病室入室時に看護業務を協働し業務削減となった」事例
「理学療法士等の業務支援により、日勤の看護師を他の勤務シフトに変更できた」事例
「大型連休におけるCOVID-19患者の受入に他病棟からの看護師の人的支援が不要となった」事例
「理学療法士の支援により、看護師が医療処置に集中できた」事例
「2病棟が閉鎖し、患者の離床が制限された環境においても褥瘡発生率が減少できた」事例
「作業療法士による複数部署への看護業務支援で病棟運用の一助となった」事例
「理学療法士等の業務支援により、毎日0.3名分の看護師の負担が軽減できた」事例
「重度化しているコロナ専用病棟等の業務サポートで看護師の負担軽減が図れた」事例
「大量の職員を欠いた中であっても、職員一丸となって病棟運営を保持した」事例
「廃用症候群の予防、ケアによる自立支援により患者の尊厳が保持できた」事例
感染対策
病棟業務支援に従事する際には感染予防対策の理解が必要です。支援の際には「COVID-19感染対策/作業療法業務について」および関連動画を参考にしてください。
その他の動画はこちら
参考 日本理学療法士協会作成の動画
1)コロナ禍で見直す、感染予防の理論と実践-感染管理と理学療法の両立-
2)理学療法士のためのCOVID-19感染予防対策動画