Opera19号
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Photo関大介)15 JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTSなくてはいけないと思ってやっています。それでもミスがなくならないのが、困ったところです。でも〝なんとかなるだろう〟というお気楽な性格ですので、へこたれずに今まで続いてきたと思います。今は、少しずつですが、同時に2つ以上のことができるようになってきましたし、〝ああしよう、こうしよう〟と自分で考えられるようにもなってきました。これからも、自分のミスを障害のせいにして逃げないで、もっともっと注意深く何度も確認することをテーマにしていきたいと思っています」高次脳機能障害では、脳の一部が . いなどさまざまな後遺症が残る。しダメージを受けているため、物忘れが多い、段取りを立てるのがむずかしい、感情のコントロールがしづらかもその程度やあらわれ方は、人によっても、時によっても異なる。長い目で根気強く対応することが求められる。こうしたことを言葉では理解していても、日常的に一緒に接する人とのコミュニケーション上の齟齬が生じることは少なくない。 「彼女は、いろいろできないことが自分で受け入れられなくて、悩みながら頑張っています。〝自分が障害者だからこう言われた〟と悩みをかかえて帰ってきたりもします。健常者でも人間関係ではストレスがたまります。彼女のイライラのはけ口になれるのは私しかいないと思って、時には〝それはお母さんも腹が立つね〟とか、時には〝それはあなたが悪いでしょ〟と言い聞かせています。よく喧嘩になります。して彼女が生活できるようにしてあげたいので、ダメなことはダメと言います。ストレートに言わないと伝わらないのですが、ストレートすぎるときつくなってしまいます。そのへんのバランスがむずかしくて……」内藤久美子さんも同じだ。 「障害者だからというのではなく、同じ職員としてできるだけ同じようにと思って接しています。でも良かれと思って言ったりしたりしたことが、うまく伝わらない時が多々あります。業務上は私に責任がありますので、私自身余裕のない時などは、どうしたらよいのかわからなくなることもあって……」だが、「私のカウンセラーがほしい」同居している眞理子さんは言う。不便を感じながらでも、どうにか広報CSR室で一緒に仕事をする温かい眼差しで接しているふたり者南部地域相談支援センター・相談支援専門員)、日本作業療法士協会のとも言う。 「私のカウンセラー」のような場にもなるのが、伊予銀行本店で、3カ月に1回のペースで定期的にもたれている「ケース会議」だ。この日の出席者は、まず園部さん親子。サポート側から、園部さんの入院当時から担当してきた伊予病院の作業療法士・樋田夏子さん、社会福祉士の西村幸さん(松山市障がい常務理事でもある三澤一登さん、伊予銀行の作業療法士・小川三佳子さん。そして伊予銀行人事部から4人、広報CSR室から3人。会議では、前回確認した課題を振り返り、その後の職場や家庭での様子を報告し合いながら新しい課題を見つけ出していく。時には本音を吐き出すやりとりの中から、すぐに解決できないとしても、状況をたがいに共有し、職場内の理解を深めていく。この日は1時間半ほどのやりとりを経て、次の3カ月間の課題と業務内容を整理していった。多くの人たちの温かいサポートのなかで、園部さんは確実に前に向かって進んでいる。同じ職員として接したい状況を共有し理解を深める(取材2014年8月20日 「横で小川さんが“これ忘れているよ”と教えてくれて、すごく助かります」と園部さん。「現場から上がってくるさまざまな声の橋わたしをするのが、今の私の役割」と小川さん。おそらく銀行に勤務する初の作業療法士。定期的にもたれるケース会議は、園部さんを多方面からサポートする大切な場になっている。「会議のレベルがどんどん上っていて、ありがたい」と、母の園部眞理子さん。左・小川三佳子さん右・園部香代子さん
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