Opera19号
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7 JAPANESE ASSOCIATION OF OCCUPATIONAL THERAPISTSしは立っていません。椎名さんは、只見線復旧応援団長をされていますが……。●本当に廃線の憂き目にあいそうですから、粘り強くやっていくつもりです。先日もシンポジウムに参加して、ぼくも講演をして、話を聞いていました。どうしても採算の話になりますが、それでは日本の儲からない路線はやめて、全部新幹線にすればいい——という話になってしまうわけです。でも、それでは日本の国はやっていけないはずです。いろいろ複雑なようですが、今回の只見川の事故で、それぞれのダムに人がいて管理していないことを知って驚きました。会津若松か郡山の本拠地にデータが入ってきて、遠くにいる人がボタンを押してダムの開門をしているというのです。それも要因のひとつになって大洪水を引き起こしたようです。極限過疎といわれるところに行くと、達観してしまったような顔の人がいっぱいいます。「誰も本気で復興に関わっていない。期待もしていない」という生の声を聞きます。「たまに来て、威張って壇に上がって喋っているけど、あの人に何ができるのだ」ともね。「ぼくのことかな」と思いながら聞いています。福島県大沼郡金山町、奥深い山々を流れる川のほとりに建つ恵比寿屋旅館で対談は行われました。部屋からは清流の川、川上に目を移すと黄金色の棚田と青々とした森、晩夏の青い空。まさに椎名誠さんとの対談にふさわしい環境でした。対談は主に椎名誠さんの世界各地を訪問(旅行?)した体験のお話でしたが、お話を聞きながら思ったことは、「なぜ、訪問?」という漠然とした疑問でした。「なぜ」の問いに対して、しばらく考えた後、「好奇心……かな」でした。その「……」の間に「好奇心」で言い尽くせない何かがあるのだろうと思いました。水のお話の中で、日本の川は飲み水にもなり、田畑を潤し、作物を育て、やがて海にそそぎ、水蒸気となり、雲となり、雨となって帰ってくる。自然の循環の中で重要な役割を担っている。日本人はこんな大切なことを自覚していない。インドやアマゾン、モンゴル、北極圏などを訪問し、体験を通して、感じ、考える。そんな繰り返しのまとまりが「……」の「間」であったと思います。雨をみても、大切なことがある。川をみても大切なことがある。金山町は高齢化率約58%、全国2位の高齢化率。そんな町の只見線の復旧応援団長でもある椎名誠さん。鉄道は「人の川」であり、その川を再生させない経済性だけが優先するわが国の現状。人、自然、そこにあるものを守ることの大切さを教えられました。対談を終えるころ考えていたことは、「素敵なお人柄と、多くの体験」そんな生き方もいいなという思いと同時に、障害のある方々が、椎名誠さんみたいな人生を考えることができる国、体験できる国、それが普通と思える国になればいいなと思った次第です。椎名誠さんの活躍に刺激された障害のある方が、ひとりでも多く「海外訪問」を考え、実践できる。そんな国づくりの支援をしていきたい。対談をおえて――中村春基(これは、2014年9月16日に行った対談を編集部でまとめたものです)金山町特産品、赤カボチャ
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