機関誌『日本作業療法士協会誌』

誰もが参加しやすい学会を目指して

誰もが参加しやすい学会を目指して

 例年どおり、誰もが学会に参加しやすいスタイルを目指して、本学会もハイブリッド開催(現地&オンデマンド〈一部ライブ〉配信)にしました。今回は1.5日間という短い会期にもかかわらず、参加者数は例年と同様であり、特に現地参加が圧倒的に多く、会場でのリアルな人との交流を楽しむ姿を多く拝見できました。
 前学会でも実施した、午前・午後のポスター張り替えスタイルにつきましては、皆様のスムーズな行動のおかげもありまして、前回以上に円滑に実施することができ、深謝しております。ポスター待機時には多少混み合い、ご迷惑をおかけしましたが、多くのブースで活発な討論が実施されており、なかには列をつくって質疑応答をしている箇所もありました。活発的な討論を実施することができたと推察され、また一歩、作業療法士の学術レベルが向上したと思います。
 口述発表や講演、セミナーについても、連日朝早くから夜間まで多くの参加者がおり、学会で学ぼうとする姿が印象的でした。現地開催終了後はオンデマンド配信を1月13日までとし、例年より長く配信しましたので、年末年始にゆっくりご覧になった方も多かったのではないかと思います。次年度も同様の配信期間とする予定ですので、ぜひ現地参加される方も見逃し配信としてご活用ください。
そして、今回のテーマである「作業療法の効果を最大化する知識・技術・環境を問う」については、本学会で作業療法の効果を最大化するヒントを見つけることができましたか。本学会は会期が短かったこともあり、例年よりもセミナー系のプログラムが少なく、その分、一般演題を多くしました。そのため、一般演題を聴講する機会が多かったのではないでしょうか。一般演題は内容が多岐に渡っており、同じ領域でもさまざまな知見を得ることができると思います。自身の専門的な領域だけではなく、幅広い知識をもつことにより、作業療法の効果を最大化できるものと考えます。
 次回以降も皆様のご支援をいただき、作業療法の効果を最大化する一助となる学会になるよう努めて参ります。引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。

(学会企画委員長 泉 良太)

立ち見の聴講者も多数みられた学会長講演

ポスター講演会場の様子

ポスター講演発表者に聞きました 学会発表のススメ

  対面学会に参加するのは、今回で2回目です。学会に参加するようになったのは5~6年前でしょうか。最初は「自分が発表するなんて……」と思っていたのですが、身近なところで積極的に学会発表されている先輩に触発されて自分もするようになりました。今では学術的にも臨床的にも自分の成長のためには欠かせない機会になっていますね。
  発表をすると聴講した方から質問をいただけます。自分の発表に興味をもってくれて、そこからディスカッションにつながるのが嬉しいですね。特にポスター発表は聴講者にとっても質問がしやすいので、普段はなかなか知ることのできない他施設の状況が知ることができる等、発表者・質問者双方にとって勉強の絶好の機会だと感じます。

(掛川市・袋井市病院企業団立中東遠総合医療センター  西郷 諒人さん)