機関誌『日本作業療法士協会誌』

Front line APOTC2024

この記事は、日本作業療法士協会誌 155号(2025年2月15日発行)のTOPICSのWeb版です。

第8 回アジア太平洋作業療法学会(APOTC2024)開催報告

互いに支えあう地域づくり ―持続可能で根拠に基づいた作業療法―
会 期:2024 年11 月6 日(水)~ 9 日(土)
会 場:札幌コンベンションセンター

  APOTC2024 はAPOTC 史上最多の参加者数、参加国・地域数、発表総数でした。これもひとえに皆様のご理解とご協力のおかげです。心より感謝申し上げます。本稿では、各プログラムに発表者・座長・参加者として参加した方々からお寄せいただいたコメントをご紹介します。教育・臨床現場を守るため、ご家庭の都合等で今回のAPOTCは残念ながら参加が叶わなかった皆様にも、本報告を通じて学会の雰囲気を感じ取っていただけますと幸いです。

●参加登録者総数
2,069 名
( 日本1,414人、海外 655人)
●参加国・地域数
32 ヵ国・地域
●発表総数
1,196 演題
( 口述 279、ポスター917)

<指定発表>
基調講演 2セッション(2演題)
シンポジウム 4セッション(4演題)
記念講演 1セッション(1演題)
Education Workshop 1セッション(1演題)
APOT Forum 1セッション(1演題)
学生フォーラム 1セッション

<一般発表> 
コングレステーマセッション 7セッション(24演題)
口述発表セッション 48セッション(255演題)
ポスター発表(一般・学生) 917演題
Scientific Workshop 23セッション

(2024 年アジア太平洋作業療法学会実行委員会)

 APOTC2024 が大盛況で閉幕。30を超える国と地域から作業療法士が集いました。日本の作業療法士らしい「おもてなしの心」が行き届き、国内外から「素晴らしい学会」とお褒めの言葉をいただいております。一歩一歩、国際化に向けて前進していることを実感しました。参加いただきました皆様、企画・運営に携わったスタッフ等、すべての方々が本当に誇らしく思います。全国の作業療法士に、そして関係者の方々に、あたたかく見守られたAPOTC2024。
 たくさんのご支援に深く感謝申し上げます。日本の作業療法に関わる皆様の一致団結したこの力は、かけがえのない私たちの財産です。お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。次回は、4 年後の韓国になります。またお会いしましょう。

(山本伸一 学会長)

   APOTC2024 が盛会に幕を閉じました。この場をお借りして、心から厚く御礼申し上げます。今でも国内外の作業療法士のSNS 等では、APOTC2024 の経験や想い出をシェアされているのを拝見し、たいへん嬉しく思います。きっと、本学会を通じて新しいアイデア、新たな視点、そして新たな友情の輪という、実りある収穫を手にしたのだと思います。APOTC2024 の経験は、日本作業療法士協会とすべての会員の共有の財産です。この経験や知見を、これからの協会事業に活かすことが大切です。皆さんのアイデアやご提案をお待ちしております。これからも共に作業療法を盛り上げていきましょう。

(大庭潤平 実行委員長)

  APOTC2024にご参加ご協力いただき、本当にありがとうございました。また、参加する同僚を快く送り出してくださった職場の皆さま、ご家族の皆さまにも心より御礼申し上げます。本学会では対面のみの学会として、「つながりを体感できる学会」を目指してさまざまな参加の仕組みをつくりました。入口に設置した書き込み自由の巨大看板、コーヒー片手に散策できるポスターの森、実践的かつ対話形式のworkshop、基調講演での人文字体操等々、作業療法士同士のつながりを感じていただけていれば幸いです。ぜひこのつながりを大切に、世界中に広がる作業療法士コミュニティの一員として、これからも作業療法を一緒に創っていきましょう。

(高橋香代子 実行委員長補佐)

  APOTC2024 に出席することができ、たいへん光栄でした。学会テーマである「互いに支えあう地域づくり―持続可能で根拠に基づいた作業療法―」 に沿う演題発表が多くあり、研究レベルの高さは驚くべきものでした。ワークショップでは実践例を共有しながら深い議論が行われていました。
 基調講演では同時通訳を利用できましたが、同時通訳のないプログラムでも参加者が最新テクノロジーを活用し、多言語での会話を可能にしている様子を目の当たりにし、驚嘆しました。改めて、作業療法士は常に創造的で、探究心旺盛な職種だと感じました。
  特に印象的だったのは、学生フォーラムです。学生達が知識やアイデアを共有し、活発な議論が繰り広げられ、会場のエネルギーは素晴らしく、私たち作業療法士という職業の未来に、大いなる希望を抱かせてくれました。この活気は、会期中の社会交流プログラムにもよく表れており、各国の代表者・参加者は日本の伝統的な音楽や催し物を心から楽しみました。
 現地では多くの日本の作業療法士の皆さんとお会いし、お話しする機会を得たことは名誉でした。皆さんが引き続き作業療法士としての実践の幅を広げ、素晴らしい作業療法を提供してくださることを期待しています。また、2026年にバンコクで開催される第19 回WFOT 世界大会でも、皆さんと再会できることを願っています。

(Samantha Shann WFOT 会長)

Precongress Workshop(PreWS)
 PreWS は、学会前日の11 月5 日(火)に開催された、参加者が主体的に参加できる体験型講座です。
 企画募集・審査の結果、午前と午後に合計11 の企画が行われました。
 当初、「英語のWS の主催を名乗り出る日本人はいるのか……」と心配していましたが、あにはからんや、15 もの応募!当日も約150 名の参加があり、どの会場も、必死に英語でプレゼンを行う日本人作業療法士と、熱心に耳を傾ける海外作業療法士の熱気にあふれ、VIVID なコミュニケーションが展開されていました。今回の出会いが小さな種となり、その種を、今後日本と世界の作業療法士が手を携えて育てあげ、いずれ大きな花を咲かせることを期待しています。  
 ある参加者からいただいた言葉で、感想を締めくくります。
“Thank you for the great work, insightful sharing and patient guidance during the workshop!”

(株式会社ベネッセスタイルケア・安倍あき子氏)