DAY3
シンポジウム3
“根拠に基づいた作業療法を構築するために”
座長をSydney大学のMackenzie教授と務めさせていただきました。 本シンポジウムでは、脳卒中後の上肢機能訓練の最先端(Prof. Takebayashi)、自閉症児の感情機能と社会性を高めるARストーリーブック活用(Prof. Lin)、精神健康領域における作業療法のエビデンス構築(Prof. Tan)と多彩な議題が展開されました。活発な議論を通じ、根拠をもった作業療法実践の多様な可能性を実感するとともに、さらなる発展の方向性を示す場となったと思います。
(北里大学・天野暁氏)
シンポジウム4
“作業療法の新たな職域と無限の可能性”
社会や医療が変化する状況のなかで作業療法がどのように適応・発展できるかについて、演者たちが創造性、協働、文化的感受性を重視したアプローチを強調していた点が印象的でした。作業療法士が多様なニーズの人々を効果的に支援するために、医療分野の内外で新たな連携を築く重要性が強調されていました。最も印象深かったのは、実践者として視野を広げる必要性についての指摘で、従来の臨床に限定されるのではなく、作業療法士の役割は地域の支援機関、教育機関、公衆衛生の取り組み等にも広がり得るのです。エコロジカルな多層的アプローチを適用することで、利用者の意味ある作業に参加する能力に影響を与えるさまざまな要因(家族との関係、政策的枠組み等)に対応できる可能性が示されました。このセッションを通じて、作業療法士が持続可能で効果的な介入を創出できること、そしてより包括的で地域社会を中心とした視点を我々の専門職に取り入れる重要性を再認識しました。
(Viet Nam Assistance for the Handicapped・Do Ngoc Tung氏)
一般口述発表(Day1 ~ 3)
作業療法の多岐にわたる分野の興味深いトピックが取り上げられ、そして日本やほかの国々からの友人や同僚に会う素晴らしい機会でした。参加したセッションのなかで最も興味深かったのは、“Comparative Analysis of Occupational Performance Characteristics in Patients with Major Depressive Disorders and Healthy Individuals: Implications for Occupational Therapy and Treatment Approaches”(早坂友成氏)でした。この発表は専門家と対象者の双方を支援する革新的なアプローチとツールを探求するもので、この発表で提示された網羅的な評価項目は強い印象を残しました。学術的な内容だけでなく、学会の雰囲気にも深い感銘を受けました。教師と学生の間に継続性と協調性が感じられ、多くの教員が学生を学会に同行させ、研究について日本や世界の専門家たちと議論している姿は感動的でした。また、ガラディナーでのパフォーマンスも心に響き、作業療法への強い帰属意識と誇りを感じました。
(Fuan health management Consulting Enterprise Co.,Ltd./Kaohsiung Medical University・Chi-Jen Lee氏)
APOT Forum
アジア太平洋作業療法地域グループの各国代表者に各国の作業療法の現状や特徴についてお話しいただきました。熱い想いをおもちの代表者の皆さん、だいぶ持ち時間を超過されていました。国際学会らしいですね。