日本作業療法士協会の「基本理念」が策定されました
この記事は、『日本作業療法士協会誌』147号(2024年6月15日発行)に掲載しているTOPICSのWeb版です。
日本作業療法士協会の「基本理念」が、本年4月の定例理事会で承認後、5月25日に開催された2024年度定時社員総会に上程され承認・決定いたしました。本会の「基本理念」は、本会の定款に規定された事業および事業目的と並んで、それらの事業を実施するにあたって本会が常に自覚し、また立ち返るべき価値観、社会的使命、基本姿勢を示し、本会の組織運営、財務管理、事業管理、人事管理の最終意思決定を行う際の指針となるものです。
2024年度はこれらを踏まえて「職員給与規程の見直し及び人事管理制度の創設」に取り組み、2025年度からの導入を目指す方針です。
以下に基本理念の全文を掲載します。基本理念は、本会の活動のコンセプトとなる「基本理念」と理念に則った「活動方針・行動規範」から成ります。
基本理念
作業で暮らしに彩りを
作業(Occupation)はすべての人にとって大切な生活行為や心身の活動であり、
作業療法は作業を通して健康と幸福に寄与できるという確信が、私たちにはあります。
私たちは作業療法士の職能団体として、
常に質の高い知識と技術を保ち続けます。
常に最善の作業療法を探求し創造し続けます。
常に一人ひとりに寄り添い、必要な人に、必要な時と場で作業療法を提供し続けます。
そのさきに私たちは、小さな喜びも幸せに感じられる色とりどりな暮らしと、さまざまな人が自分らしく生きられる社会の実現に貢献できると考えます。
活動方針・行動規範
<活動方針>
1.作業および作業療法の意味と価値を伝える。
2.作業療法を学術的に発展させる。
3.地域共生社会への参画と人材育成を推進する。
4.社会的認知向上と身分保障を改善させる。
5.協会・士会・職場・個人が協力して組織力を高める。
<行動規範>
1.誠実に仕事に向き合い、自らの能力を最大限に発揮して、最善を尽くす。
2.作業療法が健康と幸福に寄与し、作業療法がその人らしい暮らしを守り、社会に貢献できるという信念を持つ。
3.他者の声にも耳を傾け、さまざまな考えや意見を尊重し、共に協働する。
4.最新の作業療法の情報を発信し続ける。
5.日本作業療法士協会および作業療法の利益を損なう、あるいは損なう恐れのある行為は行わない。
6.社会の課題やニーズに関心を寄せ、新たな作業療法実践や日本作業療法士協会の事業について考える。
7.日本作業療法士協会の理念に共鳴し、その事業にそれぞれの立場で参画する。