作業療法にまつわるエピソード「あの日のできた」にたくさんの応募をいただきありがとうございました。
みなさまの「あの日のできた」をご紹介します。
突然聞いたことのない難病を患い、右手足が思うように動かず、これからのことも不安になりイライラする日々。家に帰って大好きな料理をしたいけれど、家族から入所を勧められ、老人保健施設に入所しています。担当した作業療法士さんと話をしているうちに、「料理がしたい。なますを作りたい」と思いをぶつけたら、「じゃあ、一緒に作りましょうか」とあっけない一言。半信半疑でその日を迎えると、薄切りにしてある大根と人参がありました。作業療法士さんのアドバイスを受けながら、何とか野菜を切ることができました。それを浸して御膳に載せる前にちょっとだけつまんで食べると、「ん~、おいしい!」思わず大きな声が出ました。こんな体になり諦めかけていた料理ができて、本当にうれしかった。今も週に1回ですが、楽しみにしています。
担当作業療法士からの言葉
病院でのリハビリテーションが訓練ばかりで大変だったことを聞き、「じゃあ、今一番やりたいことは何ですか?」と聞くと「まなすを作りたい!」とはっきり答えていたのが印象に強く残っています。料理の時はいつも笑顔です。炒めるなどの火を使うことはできませんが、一生懸命野菜を切る姿が私は大好きです。そして、毎回御膳に載せる前にはつまんで食べます。それを見ていた職員もつまんで食べて、「おいしい!」と笑顔になります。実は、無口な旦那さんも一緒に入所しているのですが、リハビリテーションの際「奥さんの「なます」どうですか?」と聞くと、微笑みながら「あれはおいしいよ」と言っていました。