乳幼児健診の企画・運営を担当しています。発達障害などの早期発見、早期療育への誘導、また保護者の子育て支援の観点から、乳幼児の健診に作業療法士の視点を導入したく思っています。作業療法士に参画いただく際の留意点について教えてください。
乳幼児健診の企画・運営を担当しています。発達障害などの早期発見、早期療育への誘導、また保護者の子育て支援の観点から、乳幼児の健診に作業療法士の視点を導入したく思っています。作業療法士に参画いただく際の留意点について教えてください。
作業療法士は、対象児の運動、感覚・知覚・認知の状態を把握して子どもの特徴をとらえ、それらがその子の生活している環境の中でどのような影響を及ぼし、どのような課題が生じているのかを評価・分析します。そして、その結果をもとに保護者や関連職種に対して、発達を促す遊びや日常生活での提案を行います。これは、乳幼児健診においても同じです。多職種による多面的アプローチが求められる近年の乳幼児健診において、その一翼を担えればと思います。
また、作業療法の対象は、障害や疾病の治療から、リスク集団への健診後フォローアップ、そして、一般市民への子育て支援・健康づくりへと広がっています。そのようなことから、乳幼児健診においても、個別ケースへの関わりに限らず、健診の企画運営においてもお手伝いできることがあると思います。
作業療法士が参画する際、どのような場を準備したらいいですか。
4か月健診などの乳児期の健診、1歳6か月児健診、3歳児健診と、対象年齢によっても異なると思いますが、診察室のような場を準備する必要はありません。日常生活の場に近いような、例えば床マットにローテーブル、それから、玩具を数点用意していただけるとありがたいです。また、段ボールや新聞紙、牛乳パックなど、家庭にあるような資材があれば、それらを用いた自宅の環境設定や遊びの提案をすることができます。
作業療法士は、生活のあらゆる場面で評価・支援をしていく職種です。そのため、あらたまった場の設定や十分なスペースが準備できなかったとしても、評価・支援は行えます。
評価結果の現場への活かし方はどうなりますか。
作業療法士の評価結果や支援は、その地域の保健・医療・福祉資源などにも大きく影響を受けますので、健診に関わる他職種と同じように、健診後のカンファレンスなどでその内容を共有します。
一方で、乳幼児健診のシステムに不慣れな作業療法士も多いため、導入当初には健診担当者が求めることやできることの範囲について、はっきりと提示していただけるとスムーズに進むと思います。
■回答
信澤直美(前橋市子育て支援課)