作業療法士が自動車運転支援のお仕事をしているって聞いたけど本当?
お話を聞いた人:横浜市総合リハビリテーションセンター 西 則彦 さん
千葉県立保健医療大学 藤田 佳男 さん
作業療法士が自動車運転のことのお仕事をしているって聞いたけど本当?
病院でリハビリテーションをする人だと思っていたけど
うん、本当だよ。病院の中のリハビリも、もちろん大事だけど、退院した後の生活を考えたら、自動車の運転もその人にとってはとても大事な活動だからね。
多くは、運転に影響がある病気(脳卒中など)になった人だよ。この病気になると、手足が動きにくくなることや、注意力や集中力がおちることがあるんだ。
う~ん、治る場合もあるけど、治らないこと(後遺症といいます)もあるんだよ。車の運転には周りに注意したうえで手足での操作が必要だから、後遺症のある人でも安全に運転できるようにリハビリテーションや練習の指導をするんだ。それで運転ができるようになる人もいるよ。
そうだね。残念ながら運転したくても難しいと思われる人もいるよ。運転に影響する病気になった場合は警察が運転免許をどうするかという判断(運転適性検査といいます)をすることがあるから、その前に病院でさまざまな検査をして運転に問題がないかどうか医師と一緒に大事な情報を集めるお手伝いをするんだ。安全に運転できるかどうかを見極めるために、自動車教習所に行って実際の運転を観察して指導する作業療法士もいるよ。
運転ができなくなったら、生活が困る人もいそうだけど…運転をやめることになると好きなところに行きにくくなるし、なんだか、かわいそうな気もするね。
そうだね。ただ、交通事故を起こすと運転していた人も含めてみんなが不幸になってしまうから、運転をやめる指導をするしかないときもあるよ。作業療法士はそうなった場合でも、できるだけその人が住み慣れた場所でいきいきと暮らせるように、自動車運転だけでない、いろいろな移動の方法や生活のしかたを一緒に考えたりもするんだよ。それに最近は、高齢者やその他さまざまな病気の人の自動車運転を支援してほしいという相談が増えているから、今後その分野で働く作業療法士が増えていくと思うよ。これからの活躍にも期待してね。
みんなもぎもんに思ったことがあったら、教えてね。
僕が代わって作業療法士さんに質問するよ。