生活環境・福祉用具支援

地域社会振興部地域事業支援課【運転と地域移動推進班】

 当協会、地域社会振興部地域事業支援課運転と地域移動推進班((旧)運転と作業療法委員会)では、高齢者や障害がある方の自動車運転や地域での移動の支援を推進しております。
近年、高齢者に加えて認知症、てんかん、高次脳機能障害(脳卒中や交通事故等で脳に障害を受けることでおこる障害)などの運転に支障のある病気に罹患した方による交通事故が社会的に大きな問題となっています。作業療法士は、その解決策として、病院等で医師の指示のもと、危険な高齢運転者を早期・適切に評価し能力に応じた運転者教育(再教育または生涯教育を含む運転リハビリテーション)を行い、安全運転寿命を延ばす支援をしております。
 当協会は、作業療法(士)による支援を推進することを目的として2016年に運転と作業療法委員会を立ち上げました。
運転と移動支援推進班では、①免許行政や運転者教育機関等の他団体との連携を行うことや、②制度や研究動向について情報収集を行い、情報発信を行い、③テキスト等の開発等により、啓発を行い、④研修システムを構築し、運転支援に関わる人材育成等を柱に活動を行い、国民の皆様によりよい運転と地域での移動に関する支援を提供できるよう努力してまいります。

お知らせ

 ●<協会2022年度事業報告>指定自動車教習所における身体障害者用教習車両と教習に関するアンケート調査(2023.8(日本作業療法士協会 運転と作業療法委員会(現:運転と地域移動推進班))

 ●<認定制度>運転と地域移動支援実践者制度について掲載しました(2023.5)

 ●<その他関連情報>令和3年度 高齢者の交通安全対策に関する調査(令和43月)(内閣府)を掲載しました
       *本調査にあたり、藤田佳男委員長が有識者として参加し、体操は西 則彦委員が中心となり作成しました

 ●<パンフレット>「押さえておきたい!運転再開支援の基礎」を掲載しました

 

運転と地域移動支援実践者制度

 近年、自動車運転や地域移動の支援における社会ニーズが高まっております。それに伴い、これらに従事する作業療法士が増加しています。
日本作業療法士協会においても重点課題研修にて運転と地域移動支援の研修を行ってまいりました。今後、この分野での作業療法士の質の維持・向上を計るとともに、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的として運転と地域移動支援実践者制度を設けることになりました。

 ●制度概要

 ●運転と地域移動支援実践者制度 規程および細則

 ●運転と地域移動支援実践者資格認定申請について
  →申請書類様式・審査スケジュールはこちら

  ※重点課題研修「運転と地域移動支援」受講証明書の発行について(2023.6)

   2021年度までに開催された重点課題研修「運転と地域移動支援」の受講証明書を発行いたしました。
  (協会にご登録いただいている郵送物発送先宛てにお送りしております。)
   認定審査申請時に必要となりますので、大切に保管いただきますようお願いいたします。
   なお、しばらくしてもお手元に届かない場合は、以下までお問い合わせください。
   受講証明書発行に関する問い合わせ先:ot-kenshujaot.or.jp※☆@に変更してください)

 <運転と地域移動支援実践者の取得を目指そう!>

 運転と地域移動支援実践者(以下実践者)は日本作業療法士協会独自の認定制度です。この分野の支援は対象者の権利を守る重要な支援であり、多くの作業療法士が関わることが望まれます。一方で、自動車の運転は我々が関わるIADLの中でも課題難易度の高い作業の一つです。さらに他者に危害を加えうる活動であることや運転免許制度の影響を受けることなどから、支援には一定の知識・技術を要し責任を持って取り組む必要があります。このことを鑑み、分野の牽引力となる専門作業療法士はもちろんですが、多くの臨床家が一定の力量を持っていることを示すことが重要です。名称の決定にあたっては、米国作業療法協会の「運転と地域移動の専門認定」制度(Specialty Certification in Driving & Community Mobility (SCDCM)に倣い、運転以外の移動手段も扱いかつ専門作業療法士と混同されないよう「運転と地域移動支援実践者」としました。公式ではありませんが「モビサポ」や「ドラサポ」と略して頂いて構いません。運転と地域移動は、作業療法士が社会に対してその専門性を判り易く示せる分野のひとつと考えます。本制度の活用により臨床家が、対象者や関連職種から信頼に足る能力を持つ者であること示し、その期待に応えることで対象者の幸福に貢献するだけでなく、広く社会に作業療法の有効性を知らしめることが出来ると考えております。本認定を取得された皆様は、実践者であることを様々な場面(例:名刺やメール署名への記載)でアピールして頂くようお願いいたします。また、運転と地域移動支援に関わっておられる皆様は、是非この認定取得をご検討下さい。

資 料

 「自動車運転を含む地域での移動の支援について、作業療法士は活躍しています!!」

【パンフレット】

 ◆押さえておきたい!運転再開支援の基礎(2021.3)
  ・これから運転再開支援に取り組む作業療法士のためのミニレクチャー“高次脳機能障害者を中心に”

 ◆作業療法士による自動車運転支援(2018.5)
  ・認知機能障害に対する自動車運転支援 実践の流れ
  ・作業療法士による自動車運転支援

 

【事 例 集】

 ◆自動車運転と地域での移動手段に関する事例集(2018.5)
  ・脳卒中(急性期):急性期病院における脳損傷者の自動車運転
  ・脳卒中(回復期):自動車運転再獲得に関わる作業療法士の視点と役割
  ・脳卒中(生活期):福祉施設における自動車運転再開支援プログラムによって運転再開で
   きた事例
  ・頭部外傷:復職した後,問題が著明となり,高次脳機能障害に対するリハビリテーション
   の中で自動車運転の安全性を検討した事例
  ・脊髄損傷:中年脊髄損傷者に対する自動車運転再開支援
  ・認知症:認知症者の自動車運転中止に向けた支援
  ・パーキンソン病:パーキンソン病患者における自動車運転支援
  ・MTDLP:自動車運転評価における生活行為向上マネジメント

 

【関連記事】

 ◆日本作業療法士協会誌〈2017年2月号〉
  「特集!運転と作業療法」記事抜粋
  ・運転に関する現状と作業療法士の役割
  ・自動車運転をめぐる作業療法士と協会の取り組み
  ・神経心理学的検査を用いた自動車運転支援の現状
  ・米国における自動車運転とリハビリテーションおよび作業療法

 ◆日本作業療法士協会誌〈2019年1月号〉
  「日本初!自動車運転免許センターへの作業療法士の配置」記事抜粋
  ・行政(運転免許センター)の現場で作業療法士が関わる意義とは?

 ◆日本作業療法士協会誌〈2019年2月号〉
  「会長対談 安全かつ快適な交通社会の実現に向けて」記事抜粋
  ・全日本指定自動車教習所協会連合会専務理事 横山氏との対談

【その他関連情報】

◆<協会2022年度事業報告>指定自動車教習所における身体障害者用教習車両と教習に関するアンケート調査(2023.8(日本作業療法士協会 運転と作業療法委員会(現:運転と地域移動推進班))

◆<協会2021年度事業報告>指定自動車教習所における高次脳機能障害者の実車評価に関するアンケート調査(2022.9(日本作業療法士協会 運転と作業療法委員会)

<その他関連情報>令和3年度 高齢者の交通安全対策に関する調査(令和43月)(内閣府)を掲載しました

 *本調査にあたり、藤田佳男委員長が有識者として参加し、体操は西 則彦委員が中心となり作成しました。
第2章 高齢運転者が安全に運転を続けるための教育プログラムの作成において、高齢運転者向けの体操プログラムや本人・家族が使用できる運転行動チェックリスト等が提案されております。

本調査内容は令和4年版交通安全白書にも記載されております。

  【該当部分】 
  
  【自治体での啓発例(太田原市)】 

高齢運転者への支援や地域ケア会議での助言、介護予防事業等でご活用ください。

 

高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格に関する有識者会議 調査研究報告書(20213) 調査研究報告書の概要(警察庁)

高齢者の免許更新における運転技能検査および認知機能検査のあり方について検討されています。加えて、二種免許等の受験資格に関しても検討が行われています。

具体的には、次年度から始まる75歳以上の運転技能検査の対象者やその概要、

現行の更新時認知機能検査をタブレットやアイトラッカーなどの機材を活用できるようにするための

研究結果などが作業療法士に今後関わってくる部分かと思います。

 ◆多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会 中間報告書概要(20214月)(警察庁)

電動車椅子や搭乗型移動支援ロボットなど新たな移動手段に係る交通ルールの検討がされています。一定の大きさ以下の電動モビリティを、最高速度~6km/h、~15)km/h、15)km/h~の3類型に分けて

今後検討を進めることや、無人自律走行する車いすについても検討課題に入っているようです。

当委員会の英語名称は「The Committee of Driving Community Mobility」であり、

自動車運転だけでなく地域での移動手段も扱っております。今後制度が大きく変わる可能性がありますので

対象者からの相談に備えて最新情報の確認をお願いいたします。

 ◆「高齢運転者交通事故防止対策に関する調査研究」分科会 最終報告書(20203月)
  〇概 要 
  〇報告書

201912月に「警察庁の有識者会議で、更新時に運転技能検査を行い、合格するまで更新を認めない制度の中間報告をまとめた」と報道されましたが、その最終報告書が出ています。主にリスクが高まる75歳以上の対象者に影響があり、今後制度化される可能性が高いと思われます。

 ◆「高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開に関する調査研究」(全指連)

*全指連にて、平成29年度~30年度にわたり取り組まれた「高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開に関する調査研究」の結果をまとめた報告書が公開されています。なお、紙媒体の報告書が全国の指定自動車教習所と都道府県指定教習所協会、都道府県警察、およびOT協会を通して都道府県作業療法士会にも1冊ずつ配布される予定です。ぜひ、ご覧ください。

 ◆「平成30年認知機能検査の結果について」(警察庁)

*平成30年の認知機能検査の結果について詳細が載っています。また認知症、軽度認知機能の低下、正常の高齢者を比較して、実車運転(高齢者の講習の内容)・ホンダのシミュレーターを使用して認知機能や運転能力を比較していますのでご覧ください。

 ◆「平成30年における交通死亡事故の特徴等について」(警察庁)

*自転車の死亡事故における法令違反の分析だけでなく、歩行中の死亡事故の分析等も掲載されています。自動車運転を辞めた後、夜間に歩行をする機会がある対象者が居た場合のアドバイスにもつながると思い今回載せさせていただきました。また、シートベルト着用状況(後部座席)、携帯電話を使用しての運転の事故についても分析されています。

 ◆「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」分科会の検討状況(警察庁)

*警察庁の有識者会議の各分科会(認知症、視野障害、限定免許等)での検討状況の概要が紹介されています。高齢ドライバー対策がどのような視点で検討されているのかを知ることができます。

 ◆平成29年度の高齢ドライバーの死亡事故の分析・改正道交法施行後1年の状況(警察庁)

*警察庁による高齢ドライバーの死亡事故についての分析が報告されています。事故件数及び年齢別件数の推移、75歳以上と 75歳未満での死亡事故の類型・人的要因比較、認知機能検査結果、免許返納と運転経歴書証明書交付件数の推移等についてまとめられています。

 ◆高齢運転者による死亡事故等に係る分析(警察庁)

*高齢ドライバーの死亡事故の特徴をまとめています。行動類型ではハンドル操作の不適による直進・等速等の事故割合が全体に多く、人的要因では高齢者の特徴としてハンドル操作不適、ブレーキとアクセルの踏み間違い等操作不適による死亡事故割合の増加を報告しています。そのほか、法令違反から見た特徴、死亡事故と認知機能検査の結果・過去3年間の違反状況も報告されています。

 ◆技術開発の方向性に即した自動運転の段階的実現に向けた調査研究報告書(概要)(警察庁委託事業)

 <2025年までのロードマップ>

*平成29年度の警察庁委託事業の報告書の概要です。海外視察概要や自動運転実現に向けた法律上・運用上の課題の検討が報告されています。検討は自動運転システムがすべての運転タスクを実施するSAEレベル3以上の実用化を念頭に進められています。

自動運転実現に向けた2018年予定の調査研究海外視察要領案

 ◆免許返納制度に関する情報(全日本指定教習所協会連合会:全指連)

*一般社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会が運営する「高齢運転者支援サイト」では運転免許を返納することによって受けることのできる特典を県別に閲覧することができます。

 ◆「視野と安全運転の関係に関する調査研究」分科会配布資料(警察庁審議会研究会)
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*高齢者の視野検査導入に向けた会議が行われています。視野検査にかかる時間・コストと効果的に行うためにはどうすればよいか眼科と教習所で試験的に導入された結果が載っています。また、高齢者の安全運転に関しては3つの分化会(認知症への対応、視野障害への対応、加齢に伴う心身機能の低下への対応)に分かれ会議が行われていくようです。