協会トピックス

【一般の皆さまへ】作業療法士による自動車運転(移動手段)支援について

自動車運転

協会からのお知らせ

作業療法士は、人の日常生活に関わる全ての活動を「作業」と呼び、主に病気や事故によって障害をもたれた方にとって大切な「作業」が少しでも円滑にできるよう支援しています。自動車の運転も日常生活における移動手段のひとつとして大変重要な「作業」であり、作業療法士は、その支援に関わっています。

運転に影響がある病気や障害と作業療法

病気や事故による身体や脳機能の変化によって、自動車運転(移動手段)の再開が困難になり、ご本人もご家族が心配でどこで誰に相談すればよいか困っていると耳にしたことはありませんか。作業療法士は、医療機関や福祉施設などで様々な検査・評価を通して対象者の身体機能・認知機能・高次脳機能(こころとからだ)の状態を見極め、運転の再開の支援やその他の移動方法の検討や再獲得の支援をしています。
しかし、現在、すべての医療機関で支援を提供できている状況ではないため、自動車運転にお困りの場合は、かかりつけの医療機関や脳卒中相談窓口(脳卒中で入院中の方)、運転支援をしている施設の窓口、行政窓口やケアマネジャー(介護保険ご利用の方)などにご相談ください。
また、国家資格である作業療法士の専門職団体である当協会は、一定の研修を受講し、十分な臨床経験がある会員を「運転と地域移動支援実践者」として認定しており、各地域で活躍しています。

1.作業療法士による自動車運転支援とは

  作業療法士による自動車運転支援の流れ
  作業療法士による自動車運転支援

  運転支援は生活支援。クルマがのその人の世界を広げる。
  (作業療法士は、脳損傷者や認知機能障害以外の方にも自動車運転に関する支援を行っています)

  自動車の運転支援を地域で支える。
  (作業療法士による自動車運転支援は、多職種での関わりに発展しています)

  ・安全かつ快適な交通社会の実現に向けて 
  (全日本指定自動車教習所協会連合会会長と日本作業療法協会の対談:日本作業療法士協会誌 83号 2019年2月15日発行)

2.自動車運転と作業療法士の関わり

  日本発!自動車運転免許センターへの作業療法士の配置(日本作業療法士協会誌82号 2019年1月15日発行)
  (神奈川県の運転免許センターで、作業療法士が活躍しています)

  令和3年度高齢者の交通安全対策に関する調査(内閣府)
  (調査に関して作業療法士が有識者として参画し、体操プログラムの作成にも関わりました)
   第2章 高齢運転者が安全に運転を続けるための教育プログラムの作
  (高齢運転者向けの体操プログラム本人・家族が使用できる運転行動チェックリストなども提案
 

  エイジド・ドライバー総合応援サイト(JAF
   作業療法士がJAFと協力して運転中の動作がスムーズになるような体操「座ってできるドライビングストレッチ」
  考案しました。
  また、上記JAFサイトでは、「作業療法士」についてのワンポイントアドバイスも紹介されています。

  運転免許取得で悩みがちな「壁」と乗り越え方(TOYOTA)
  作業療法士が、すべての「行きたい」を叶えていきたいのコンセプトに賛同し、
  障害による不自由がある方の免許取得について情報を紹介しています。

  ・都道府県での取り組み
  愛知県作業療法士会がJAFと共同で自動車運転に関するイベントを行いました。

3.自動車運転に関する情報紹介

  脳の損傷を受けた方の自動車運転ガイドブック(一般社団法人 大阪府作業療法士会)

  高次脳機能障害と自動車運転に関するご案内 (一般社団法人 広島県作業療法士協会)

  免許返納制度に関する情報(全日本指定教習所協会連合会)
  *都道府県別に運転免許返納によって受けることができる特典を閲覧できます。